image173

反社会的な行動を繰り返す少年。DQN、ヤンキー、チンピラなどとも呼ばれ皆さんも学生時代に数人目にした記憶があると思いますが、このような層についてアメリカの国立研究機関が行った研究の結果、脳が小さいことが分かったと発表しました。

アメリカ国立精神衛生研究所(NIMH)が行った研究によると、他人を攻撃したりなど明らかな犯罪行為を繰り返す、行為障害という青少年の脳を調査した結果、皮質全体および皮質の34領域中26の領域で総表面積が小さいなど脳の部位がそうではない人よりも小さかったことが分かったと発表しました。

Youth with conduct disorder show widespread differences in brain structure | National Institutes of Health (NIH)

行為障害とは反抗的で攻撃的な非行行為を繰り返す状態を指す症状で、素行症とも呼ばれ他者の基本的な権利を侵害する行動を繰り返し起こす病気です。問題は非行行為は年齢相応に必要な社会的規範や規則から著しく逸脱しており、他人に対し明らかに不利益を生じさせる点です。

この研究を行ったダニエル・パイン氏によると「研究が進んでおらず治療も十分には行われていない。行為障害における脳の違いを理解することは治療などを行うアプローチが一歩前進するものであり、最終的には子どもと家族の改善することにつながります」としています。

具体的に何がどう違うのか。研究では行為障害と診断された青少年1185人とそうではない青少年1253人の脳を調査しました。結果、皮質全体および皮質の34領域中26の領域で総表面積が小さい事がわかり、最も顕著だったのは大脳皮質と呼ばれる脳の外側の層で、行動や認知、感情などの制御で重要な領域が小さくなっていることが分かったとしています。

合わせて扁桃体、海馬、視床の部位も小さい事がわかり、問題行動の制御に必要な領域がそもそも小さいことが分かったとしています。

この脳の違いについて男女差はなく、これら脳のサイズは共感性、罪悪感、自責の念の低さにを特徴とする重篤な行為障害の兆候を度合いが高いほど顕著になっていたとしています。

このような行為障害つまり不良といった層の人は想像し易いのですが学年やクラス全体にとっても悪影響を与える以外もイジメといった社会的には許されない行為、つまり暴力や人権侵害、パワハラにつながることを見境なく行うという特徴もあります。行為障害は学校や家庭などではそもそも自然治療できません。病気であるため、まずは専門の施設で治療することが第一に求められると考えられます。

*抄訳したものを掲載しています。医学的な内容につきましては必ず医師の説明を受けてください。