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人類が作り上げた建造物として軽く1000年以上高さの記録は破られなかったピラミッド。現在も建造方法は謎が多いのですが、最近、パリに拠点を置く研究機関が浮力を用いて重い石材を運んだ証拠を発見したと発表しています。

巨大な石材を大量に積み上げ作られたピラミッド。現在のような重機は無く主に人力により作られたとされているのですが、あれほどの巨大な建造物をどのようにして構築したのかはこれまで様々な説が提唱されてきました。

Scientists Find Evidence of Advanced Technology Used to Build Egyptian Pyramid
https://futurism.com/the-byte/scientists-hydraulics-pyramid

今回新たな説を出したのはパリに拠点を置く研究機関パレオテクニックのCEOで、研究の筆頭著者であるザビエル・ランドロー氏です。彼によると階段ピラミッドとしても知られるジェセル王のピラミッドに関して、溝、トンネル、ダムのシステムを使用して建設現場に水を導き、重い石を運ぶことができる浮遊プラットフォームを上げ下げするために水を使用していたという証拠を発見したとしています。

ランドロー氏は「最大のピラミッドが、既知の傾斜路とてこ法のみを使用して建設されたという説には懐疑的だ」とし、「私たちの分析では石を持ち上げる手段として水を利用することに繋がった」と説明しています。

今回浮力による建造説を提唱した彼によるとエジプトで最古のピラミッドとされる階段ピラミッドはギザの大ピラミッドより100年ほど前の紀元前2680年に作られました。
古代の気候と考古学のデータを何年もかけて精査した結果、このピラミッド周辺にはかつて考えられていたよりも多くの水があったという証拠を発見。階段ピラミッドの中央にある垂直のシャフトなど、複合施設内外のいくつかの建造物が新たな光を当てた結果、研究者たちは水圧を使ったリフトが設置されていたと主張しています。

ピラミッドの縦坑はかつてピラミッドの下にある全長650フィートを超える接続トンネルから水を受け取っていた可能性があるらしく、この接続トンネルは他のトンネル網とつながっており、おそらく今もピラミッド群を取り囲む巨大な溝にもつながっていたと思われる、と主張しています。

巨大ピラミッドを建設するにあたり浮力を使っていた説について、エジプトの元考古学担当大臣ザヒ・ハワス氏は「完全なでたらめだ」と主張しています。彼は過去12年間発掘調査を実施したものの少なくとも同研究チームがダムとして使われたとする地域でダムが作られた証拠は何一つでていないと説明しています。

またこの論文の理論には多くの疑問点があり、さらなる研究が必要なもののこの説を提唱したことについてだけは評価できるとしています。