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天候の悪化や気温によって関節痛がでるという症状。これに関してシドニー大学の学者が行った研究ではこれら腰痛などの関節痛と日々の気温・気圧などの変化と因果関係は無く思い込みといった他の原因が考えられると発表しています。

これはシドニー大学リウマチ専門医で研究員およびジョージ国際保健研究所筋骨格健康学教授らが行ったもので、腰痛、膝または股関節の変形性関節症、関節リウマチや痛風の患者のデータ 15,000人、合計で28000件の痛みのデータを収集しました。

Shocking Study Says No, Cold Isn't Making Your Joints Ache. So What's Going on? : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/shocking-study-says-no-cold-isnt-making-your-joints-ache-so-whats-going-on

合わせて当時の気温が暑いか寒いか、湿度、天候、風速、またいくつかの組み合わせとして例えば暑くて湿気があるか、寒くて乾燥しているかなど、さまざまな天候の間で痛みの報告の頻度を調査しました。

その結果、地球上で発生する気温や湿度、気圧の変化などは膝、股関節、腰の痛みの症状のリスクを高めることはなく関節炎の新たな発作の治療を求める人々とも関連がないことがわかりました。要するに「低気圧だと体が痛くなる」という例が報告されているものの、これらの気象と体の痛みは全く因果関係はないというものです。

ただしいくつか例外があり、例えば気温については冬場の10度未満のデータについてはほとんど研究はされておらず、このような極端な天候の変化による症状の悪化については結論はでていないとしています。また通風については暖かく乾燥した条件で増加していたことが今回の研究で確認されています。
この通風については脱水症状の増加、血中の尿酸濃度の増加、痛風患者の関節への尿酸結晶の沈着を引き起こしその結果として症状が悪化することがわかっており、『暖かく乾燥した条件』というのは通風が悪化しやすい条件があり想定内ということになります。

なぜ人は天候や季節変化を痛みと連動させるのか

その原因については所謂思い込みによるノセボ効果があります。つまり寒くなったり、気圧が下がると痛みがひどくなると思い込んでいる人は思い込みで痛みがでることがあります。

他に考えられるのは暑さ寒さで睡眠の質が落ちることで結果として腰痛や膝の痛みの引き金になることがあり、寒い天候による気分の悪化により同様の症状がでることがあるとのことです。