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オランダ政府は2011年を最後に最後の装甲戦闘車両を撤退させていたことに関して、最新の防衛白書では総額266億ドルを投資しF-35戦闘機を始め地上戦力として戦車部隊を復活させると発表しました。

この防衛白書によると軍事力増強については「欧州で長い平和が続いた後、オランダは武力紛争を防ぐために敵対勢力の抑止に積極的に貢献しなければならない」とし、要するにウクライナ情勢、及び、中東の問題、そして自国が有利にな利用工作を仕掛けている中国に対しても述べられたものになっています。

Dutch Decide To Bring Back Main Battle Tanks
https://www.twz.com/land/dutch-decide-to-bring-back-main-battle-tanks

特に「ロシアのウクライナに対する抑制されない侵略は、NATO同盟への攻撃がもはや考えられないことではないことを示している」と強く警戒しており、この文言はルーベン・ブレーケルマンス国防相の発言から取られているものです。そのうえで「そのような攻撃はオランダの安全と繁栄に大きな影響を及ぼすだろう。したがって、我々は同盟国とともに、そのような攻撃を阻止するためにあらゆる努力をしなければならない」と宣言しています。

今後オランダが導入するのはEU標準装備のような戦車になっているドイツ製のレオパルト2戦車です。また不足する兵士については少なくとも冷静時代にオランダ政府が行っていた徴兵制は行われないとしています。

オランダと戦車部隊

オランダでは2011年5月を最後に保有していたレオパルド2A6が停止し、その後は友好国へ引き渡していました。オランダは冷戦期1000両の戦車を運用しており1980年代には445両ものレオパルド戦車を運用していました。これはレオパルト2が最初にオランダに納入されたことも知られているといい非常に陸軍に力を入れていた国でもありました。

しかしオランダは2011年にNATO加盟国で最初に戦車を廃止した国となりました。その理由は運用コストにあり敵の要塞や防備への突破攻撃や戦車ならではの機動力、火力、防御力を必要とする高速側面攻撃の時代は終わったという認識にも基づいていたとしています。

ただオランダが全ての戦車を国内から無くしていたわけではなく、2014年ごろには輸出されていなかった20台の戦車が国内に保管されていました。2015年には戦車部隊の復活が発表されたものの予算上難しかったとしてます。そして18両はドイツに移動し当時の最新規格にアップグレード。以降ドイツ軍の統合されドイツとオランダ連合という形で戦車部隊の復活となったとしています。

そして今回の発表ではあくまでオランダのみが戦車部隊を保有するという変更になりました。