戦艦のような長い砲身を搭載したアメリカの試作XM1299 155mm自走榴弾砲は2024年3月に開発が中止されました。一方で長距離射撃能力を求めているアメリカ陸軍は既存の榴弾砲システムから発射できる次世代砲弾に投資する可能性があると報じられています。
アメリカのクリスティン・ウォーマス陸軍長官は先週行われた、2024年国防記者会見で従来の砲身砲に関して陸軍が現在注力している分野について語っています。これはいわゆる榴弾砲から打ち出す砲弾に関して、「我々は、長射程距離を持つ砲兵システムの必要性を依然として信じている」という趣旨の発言です。
見出しで紹介したように、アメリカは自走榴弾砲の射程を伸ばすため砲身を長くすることで実現する案を模索していました。これは155mm榴弾砲に58口径つまり砲弾の直径の58倍もの長さがある8m99cmという砲身を搭載することでこれまでの39口径の砲身よりも打ち出し速度(初速)を速めることでより遠くの目標まで砲弾を届ける案でした。
しかしこの58口径を採用したXM1299 155mm自走榴弾砲は不採用となりました。
そこでアメリカとしては砲弾を改良することで同等の長射程を実現する案を模索しています。この砲弾は現在アメリカ軍が配備している39口径の各種榴弾砲で可能で最低で65kmの射程があるという砲弾です。
Focus Grows On Longer-Range Artillery Shells After Army Axes Next-Gen Howitzer
https://www.twz.com/land/focus-grows-on-longer-range-artillery-shells-after-army-axes-next-gen-howitzer
軍需大手BAEシステムズは戦車から打ち出す砲弾のように鞘に収まったXM1155-SC砲弾を遠くまで飛ばすものを開発しており射程は110kmに達します。これは現在の自走榴弾砲が打ち出す通常発射の砲弾として最長記録となっています。
ジェネラル・アトミックス社は155mm榴弾砲に翼を搭載する滑空砲弾とし射程を伸ばす案を開発しています。これは地上目標への使用は当然として、砲撃型対艦兵器としてもさらには対空兵器としての可能性を秘めた長距離機動弾(LRMP)となり、対地、対艦、対空の3つの攻撃モードを付与できるとしています。
またボーイングとノルウェーのナモ社は155mm砲弾にラムジェットを搭載することで砲弾を加速させる方法を開発しています。射程は150km以上です。
ただ、これら砲弾の大きな欠点は砲弾コストが非常に高額になる点です。一方でターゲットに対して高い確率で命中できるのであれば効率は良いのですが、配備する砲弾の数も減ればコスト削減も難しいというお金の問題がつきまといます。
砲弾システムの射程距離が伸びる利点はこの能力を活用できるエリアが広がることになり、最大射程距離43マイルの榴弾砲 1門あれば、発射位置の周囲約 5,810 平方マイルのあらゆるラーゲットを撃ち落とすことできるようになるといい、ラムジェット推進弾または70マイル離れた標的に到達できる他の先進的なタイプとなれば、そのカバーエリアは約15,000平方マイルに拡大するとのことです。
見出しで紹介したように、アメリカは自走榴弾砲の射程を伸ばすため砲身を長くすることで実現する案を模索していました。これは155mm榴弾砲に58口径つまり砲弾の直径の58倍もの長さがある8m99cmという砲身を搭載することでこれまでの39口径の砲身よりも打ち出し速度(初速)を速めることでより遠くの目標まで砲弾を届ける案でした。
しかしこの58口径を採用したXM1299 155mm自走榴弾砲は不採用となりました。
そこでアメリカとしては砲弾を改良することで同等の長射程を実現する案を模索しています。この砲弾は現在アメリカ軍が配備している39口径の各種榴弾砲で可能で最低で65kmの射程があるという砲弾です。
Focus Grows On Longer-Range Artillery Shells After Army Axes Next-Gen Howitzer
https://www.twz.com/land/focus-grows-on-longer-range-artillery-shells-after-army-axes-next-gen-howitzer
軍需大手BAEシステムズは戦車から打ち出す砲弾のように鞘に収まったXM1155-SC砲弾を遠くまで飛ばすものを開発しており射程は110kmに達します。これは現在の自走榴弾砲が打ち出す通常発射の砲弾として最長記録となっています。
ジェネラル・アトミックス社は155mm榴弾砲に翼を搭載する滑空砲弾とし射程を伸ばす案を開発しています。これは地上目標への使用は当然として、砲撃型対艦兵器としてもさらには対空兵器としての可能性を秘めた長距離機動弾(LRMP)となり、対地、対艦、対空の3つの攻撃モードを付与できるとしています。
またボーイングとノルウェーのナモ社は155mm砲弾にラムジェットを搭載することで砲弾を加速させる方法を開発しています。射程は150km以上です。
ただ、これら砲弾の大きな欠点は砲弾コストが非常に高額になる点です。一方でターゲットに対して高い確率で命中できるのであれば効率は良いのですが、配備する砲弾の数も減ればコスト削減も難しいというお金の問題がつきまといます。
というかミサイルでいいじゃね?
と思われた方が9割と考えられるのですが、この記事で記載されていることとしてミサイルとは異なり榴弾砲は一般論として発射できる総弾数と射程内の標的エリアから別の標的エリアに焦点を移すのが容易な点があり、ロケットやミサイルよりも優位性を保ち続けている…としています。砲弾システムの射程距離が伸びる利点はこの能力を活用できるエリアが広がることになり、最大射程距離43マイルの榴弾砲 1門あれば、発射位置の周囲約 5,810 平方マイルのあらゆるラーゲットを撃ち落とすことできるようになるといい、ラムジェット推進弾または70マイル離れた標的に到達できる他の先進的なタイプとなれば、そのカバーエリアは約15,000平方マイルに拡大するとのことです。