金が含まれる鉱脈といえば石英です。この石英の中に金が含まれ精錬され私達のスマホの中や装飾として様々な場面で利用されているのですが、オーストラリアの研究機関は地震により石英が強く刺激された結果生まれるという研究結果を発表しています。
黄金の国、ジパング。みなさんも歴史の授業中に一度は耳にしたことがあると思いますが、かつて日本では大量の金が掘られていた国で、佐渡金山をはじめ全国に金山というものが存在しています。
なぜ日本にここまで金が多くあるのか。実は日本では付き物の地震が金という富を生み出していたことが研究の結果明らかになりました。
天然の「金塊」はなぜできる? 長年の謎の答えは「地震」か、研究 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/090600485/?P=1
これは学術誌「Nature Geoscience」に掲載された論文でオーストラリアの大学からオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)資源研究部、シドニー国立中性子散乱研究センターが共同で行ったもので、地震が石英を刺激して電場を形成させその過程で金が形成するという研究結果を明らかにしました。
石英といえば水晶といったものも採れるのですがこの石英に含まれるのは細かな金です。研究ではこの石英に地震などの地殻変動で膨大なパワーが加わると強く圧縮され電気を発生させます。この電気が地殻内にある液体の中に溶けている金や金のナノ粒子を引き寄せ、集まって小さな粒となり更に十分な電気刺激を受けることで金塊へと成長といいます。
研究者によると、文字通り石英が地震などで揺れると電気が発生し次に金が出現すると説明しています。
ということは石英を狂ったようにハンマーでぶっ叩けば金がザックザックの大金持ちになれるのか、といえばもちろんそんなお話ではありません。もう一つ重要なものがあり所謂『温泉』です。
温泉には様々なミネラルが含まれていることは私達日本人では常識ですが、その中に金の粒子が含まれていることがあるといいます。金鉱脈は石英の中に不均等にあるのではなく、まるで蜘蛛の巣のように線として現れます。これは石英の断層に沿って熱水つまり温泉が亀裂に流れ込むことによって金が岩盤に閉じ込められます。
このような地震と熱水のサイクルが数千回から数万回にわたって押し寄せることで長い時間をかけて造山型金鉱床が形成されるといいます。つまり金として形になるには金が溶けた液体もある程度必要ということになります。
▼石英に含まれる高純度の金
研究ではこれを再現するために天然の石英の板を複数枚用意し、金を含む溶液に浸し機械で地震波を再現した振動を加え続けました。結果、石英の板の上に見えなかった個体の金が現れたとしています。
金は重い元素であり地球から見える太陽の核融合でもつくることはできません。金の誕生は太陽よりも重い恒星が必要です。この重く巨大な恒星が数億年の一生終える過程で超新星爆発を起こし中心部が圧縮され直径数十kmのサイズしかない太陽質量並の天体、中性子星が生まれます。
▼中性子星同士の衝突イメージ
この大質量の中性子星でも金は作れません。さらに膨大なパワーが必要で、同じく兄弟として周回してい中性子星が同士が徐々に距離を縮め衝突、合体することで桁違いなエネルギーが生じ金を含む様々な重元素を大量に宇宙に放出します。
スマホに含まれる金を含むレアアースは元は巨大な恒星が中性子星となり、更に中性子星が同士がぶつかるという宇宙でも稀な天体ショーにより生まれた中性子星の欠片のようなもので、鉄や銅など身近な金属よりも圧倒的に量が少ないというのはそのためです。
なぜ日本にここまで金が多くあるのか。実は日本では付き物の地震が金という富を生み出していたことが研究の結果明らかになりました。
天然の「金塊」はなぜできる? 長年の謎の答えは「地震」か、研究 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/090600485/?P=1
これは学術誌「Nature Geoscience」に掲載された論文でオーストラリアの大学からオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)資源研究部、シドニー国立中性子散乱研究センターが共同で行ったもので、地震が石英を刺激して電場を形成させその過程で金が形成するという研究結果を明らかにしました。
石英といえば水晶といったものも採れるのですがこの石英に含まれるのは細かな金です。研究ではこの石英に地震などの地殻変動で膨大なパワーが加わると強く圧縮され電気を発生させます。この電気が地殻内にある液体の中に溶けている金や金のナノ粒子を引き寄せ、集まって小さな粒となり更に十分な電気刺激を受けることで金塊へと成長といいます。
研究者によると、文字通り石英が地震などで揺れると電気が発生し次に金が出現すると説明しています。
石英だけでは金はできない
▼鹿児島県の金鉱脈、割れ目のようなところに金が含まれる(西日本新聞)ということは石英を狂ったようにハンマーでぶっ叩けば金がザックザックの大金持ちになれるのか、といえばもちろんそんなお話ではありません。もう一つ重要なものがあり所謂『温泉』です。
温泉には様々なミネラルが含まれていることは私達日本人では常識ですが、その中に金の粒子が含まれていることがあるといいます。金鉱脈は石英の中に不均等にあるのではなく、まるで蜘蛛の巣のように線として現れます。これは石英の断層に沿って熱水つまり温泉が亀裂に流れ込むことによって金が岩盤に閉じ込められます。
このような地震と熱水のサイクルが数千回から数万回にわたって押し寄せることで長い時間をかけて造山型金鉱床が形成されるといいます。つまり金として形になるには金が溶けた液体もある程度必要ということになります。
なぜ他の石に金は含まれないのか
不思議なのはなぜ他の鉱物では金が含まれないのかです。石英はケイ素と酸素の単純な鉱物です。しかしこの一般的な鉱物の中では唯一、結晶が中心対称性をもたずゆがんだ構造をもっています。これにより地震など強い圧力がかかると石英結晶に圧電効果が発生し電気が生まれ、液体に含まれる金の粒子が引き寄せられ、金が生まれるという自然の化学現象が発生しているといいます。▼石英に含まれる高純度の金
研究ではこれを再現するために天然の石英の板を複数枚用意し、金を含む溶液に浸し機械で地震波を再現した振動を加え続けました。結果、石英の板の上に見えなかった個体の金が現れたとしています。
金は巨大な太陽が作っている
ではその金は一体どこから来たのか。もちろん石英自体が金を作っているのではなく、どこからか自然に生まれるわけでもありません。これは地球が形成されたときに金が含まれていたということになります。金は重い元素であり地球から見える太陽の核融合でもつくることはできません。金の誕生は太陽よりも重い恒星が必要です。この重く巨大な恒星が数億年の一生終える過程で超新星爆発を起こし中心部が圧縮され直径数十kmのサイズしかない太陽質量並の天体、中性子星が生まれます。
▼中性子星同士の衝突イメージ
この大質量の中性子星でも金は作れません。さらに膨大なパワーが必要で、同じく兄弟として周回してい中性子星が同士が徐々に距離を縮め衝突、合体することで桁違いなエネルギーが生じ金を含む様々な重元素を大量に宇宙に放出します。
スマホに含まれる金を含むレアアースは元は巨大な恒星が中性子星となり、更に中性子星が同士がぶつかるという宇宙でも稀な天体ショーにより生まれた中性子星の欠片のようなもので、鉄や銅など身近な金属よりも圧倒的に量が少ないというのはそのためです。