中国の神龍スペースプレーン

2023年12月に打ち上げられたのは神龍などと呼ばれるスペースプレーンです。その姿がいまだ公にされていない極秘のスペースプレーンになるのですが、アマチュア天体写真家によりその姿が撮影されました。

これは2023年12月14日、中国北西部の酒泉衛星発射センターから長征2号Fロケットに搭載されて軌道に打ち上げられた翼を搭載したスペースプレーンタイプの機体で2024年9月6日、軌道上から地上に帰還しました。

この神龍についてはこれまで一度も機体の写真などはでていません。新華社通信は「将来、宇宙の平和利用のために、より便利で手頃な往復手段への道を開く」とし平和目的の機体だとしているのですが、そもそもこのプロジェクトは中国軍により行われているもので2007年に発表された計画が元になっています。そもそも平和目的であれば機密扱いにする必要はないため、表向きは平和目的としつつ軍事目的であることは明白です。(正しくは中国における宇宙活動は中国軍が管轄しています)

この軍事スペースプレーンに関して現時点で公になっているのはCGイラストのみですが、オーストラリアの衛星追跡をしているフェリックス・シェフベンカー氏によりその姿が撮影されました。

New image of China's secret space plane shows delta-wing design | Space
https://www.space.com/china-space-plane-image-delta-wing-design

▼神龍スペースプレーンのイメージ
中国の神龍スペースプレーン_2

中国の神龍スペースプレーン_1

シェフベンカー氏によると最近の投稿では中国このスペースプレーンが7月30日の観測以降180度方向転換した際に撮影したデルタ翼設計を示す画像を8月10日に入手したと報告しており、少なくともCGイメージと近い機体をしているのではないかと考えれているのですが、詳細は不明です。

謎の機体『神龍』

このスペースプレーンは再使用可能実験宇宙機とされているもので2011年に弾道飛行、2020年に軌道飛行したいわゆる神龍の同一のものなのか、それとも後継モデルなのかはよく分かっていません。いずれにしても軌道飛行日は双方同じになっており一連の神龍プロジェクトであると考えられています。

平和目的の機体としているのですが今まで一切、宇宙で何をしているのかも公にされたことはありません。過去のアメリカ国防省がこの機体から6つの物体を宇宙に展開したと発表しており、アマチュア天文学者であるスコット・ティリー氏は物体Aは過去に中国の宇宙飛行機が放出した物体と同様の信号を発信していることを確認しています。

いずれにしてもこの機体はアメリカ空軍のX-37Bに近い運用方法となっていると考えられ、ここ最近の中国側、習近平氏の思想と考えられる「科学軍事分野で欧米が運用しているものは自らも持たなければならない」という謎の行動が過去複数確認されていり、この計画もその一つであることは明白です。