太陽系の惑星、特にガス惑星には環が存在します。木星、土星、天王星、海王星にはすべてあるのですが、岩石惑星には存在しません。ただ質量が小さい小惑星カリクローには非常に珍しいですが環が存在していることが確認されてます。

この環についてモナシュ大学の研究者は今から4億8000万～4億4000万年の時期の地層から隕石の痕跡や何らかの津波堆積物が見つかっており、地球規模で天体衝突が多数発生していた可能性が示唆されています。
専門用語ではオルドビス紀に発生していたことから「オルドビス紀衝突スパイク」などとも呼ばれているのですが、実際にクレーターも見つかっており何らかの出来事があった可能性も示唆されています。

このような複数の天体衝突の可能性は一つは彗星など砕けた小天体が地球に落下した可能性があるのですが、年代が若干異なり落下地点にバラツキが生じているとすればこの説は薄くなります。そこで、この時代に地球軌道上に何らかの小惑星が存在しており、砕けた環のようなものがつくられた可能性を指摘。

衝突したクレーターの痕跡など21個から考えられるのは直径が10～12kmほどの小惑星が地球上で砕け環になった可能性があるとしています。またこの時期はオルドビス紀末の大量絶滅が発生しており、この原因が小惑星が砕けた隕石による大きな環境の変化があったことも示唆されています。

現在地球に環となるものはありませんが、これは環というのは時間の経過と共に天体に引き寄せられ落下し消失するものであり土星の姿も永遠ではありません。