RS-26

国内外メディアにると20日夜、ウクライナ東部の都市ドニプロに対してロシアが何らかの弾道ミサイルを発射し着弾したと報じています。このミサイルについては弾頭が6つに分かれる珍しいものが使用されていた可能性があります。

これまで報じられている内容として、ロシアはウクライナから東部に位置するアストラハン州から何らかの長距離・中距離弾道ミサイルを発射し、直線距離で1000kmほど離れたウクライナ領内に落下したことが確認されました。

現在この弾道ミサイルについてはRS-26というものだったとされているもののよくわかっていません。一部ではその改良型や試作モデルではないかとしているのですが、それもよくわかっていません。

一方で確認された落下物、弾頭は特殊なものとなっています。通常多弾頭の弾道ミサイルであればミサイル1発に対して6発程度の弾頭+数発のおとりとなっているはずですが、こちらの映像を見ると6発が同時に着弾し、その6発の束が6回着弾しています。つまり地上に落下したのは合計36発です。

一発の弾道ミサイルから発射されたのかは明らかになっていないのですが、複数発射されたという報道はゼロであるため1発の弾道ミサイルから分離したものと考えられます。つまり今回の弾道ミサイルは最大36発の弾頭を搭載できる兵器だったということになります。

▼一般的な弾道ミサイルの弾頭、MIRVと呼ばれる搭載方法。今回は何らかの方法で36発搭載されていた可能性がある
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10発を超えるような弾頭が弾道ミサイルに搭載されているという画像などは見たことがなく、どのような配置で収められていたのかなども不明です。このように通常の核弾頭を搭載するタイプとは構成が大きく異なっていることは容易に想像できます。

予想ではこのような再突入体構成でシュラウドがフェアリングのように分離し6つの小爆弾に分離するクラスター弾頭のような構成になっていた可能性があります。ただし、そのような構成の弾頭というのはこれまで画像でも見たことがなく、まったく知られていない新弾頭の可能性があります。