AH-64

アメリカ陸軍が運用する攻撃ヘリとして最大の攻撃力があるAH-64。この機体に関して開発元のボーイングは2060年代まで配備し続けられるようアップグレード計画に取り組んでいると報じられてます。

1975年に初飛行した攻撃ヘリ「アパッチ」。以降陸軍に配備され世界各地の戦争に投入されてきました。アパッチは30mm機関砲と両脇に対戦車ミサイル、ヘルファイアを運用できる対地攻撃を得意とする機体でその戦闘能力はこれまでの運用実績から証明されています。

Boeing's Plan For Modernized AH-64 Apaches Serving Into The 2060s
https://www.twz.com/air/boeings-plan-for-modernized-ah-64-apaches-serving-into-the-2060s

一方で最近はアパッチの後継モデルとして将来型攻撃偵察機計画(FARA)が進められていたものの結局廃案になりました。理由はドローンなど無人兵器の台頭、そしてウクライナ侵攻でロシア軍のヘリを撃墜し続けた兵器を供給し続けたアメリカ側が知っているもので、ヘリの生存性が低いことが懸念されているためだとされています。



結果的に将来のヘリコプターはどうなるのか、特に攻撃ヘリという分野がどうなるのかはよくわからないのですが、後継モデルが事実上無くなったことでボーイングとしてはAH-64を更に改良し今後40年程度、2060年代まで有効性のある兵器として運用を目指すという計画が進んでいるとしています。

アップグレード内容

非常に高度なヘリで相当な訓練が必要とされるアパッチですが具体的にどのようなアップグレードが検討されているのでしょうか。記事には複数記載されているのですが一つとしてアクティブ パラレル アクチュエーション システム (APAS) という新しい技術を導入したパイロットの負担を減らす機能の付与を考えています。

合わせてパイロットが装着するヘルメットには統合ヘルメット・ディスプレイ照準システム(IHADSS)という右目に装着するシステムがあるのですがこれも改良が考えられています。予想ではF-35のようなヘッドマウントディスプレイタイプも考えられます。

コックピット周りも従来の計器ではなく最近の戦闘機のような大型ディスプレイにタッチスクリーンを搭載。座席についても最長で10時間のミッションとなるため改良が考えられています。

他にもエンジンといった動力周り、ローターといった推進力を生み出す箇所の改良なども考えられています。

現状としてはロシアがウクライナ侵攻で受けた被害、逆に言えばウクライナ側がロシアのヘリを次々に撃墜してされ続けた現実は変わる事はありません。今後レーザー兵器など更に高度化する対空兵器も登場します。
ヘリという特性は機体形状からも限界があります。高コストで低速、航続距離も短く、危険な低高度で活動しなければならない兵器がどうなるのかは現時点で明確に定まってはいません。