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第二次世界大戦後急速に進んだ核開発。その中心は弾道ミサイル技術に置き換わるのですが、NASAは最近グリーランド上空を観測飛行していたところ氷床の下に建設された核ミサイル基地を発見したと発表しています。

今回発見されたのは当時極秘だったキャンプセンチュリーと呼ばれるアメリカ軍のミサイル基地です。もちろんただのミサイル基地ではなく核弾頭を発射するミサイル基地ということになるのですが建設が開始されたのは1959年でわずか8年あまりの67年に閉鎖したといいます。

なぜアメリカ本土でもないグリーンランドに建設されたのか。理由はソ連のモスクワに核を打ち込むミサイル基地として建設されたものでした。しかし、氷床の下に作られたことで地面よりも不安定でトンネル構造が崩壊する危険性や維持管理に莫大なコストがかかったため閉鎖されたとしています。

その背景には米ソの何らかの政治的な駆け引きもあった可能性があるのですが、第一に予想では射程が伸びた弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルなどが実現したことで閉鎖したという側面もあると考えられます。以降、この施設は誰も管理することなく現在まで放棄されているとしています。

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このキャンプセンチュリーについては米軍側は科学基地などと主張し建設したものですが、実際はこれまでも紹介しているように核ミサイル基地です。プロジェクトアイスワーム」(Iceworm)と名付けられた極秘の軍事プロジェクとして、トンネル21本構造があり実に核ミサイルを600発も収めるものだったとしています。

一方で当初から氷床が想定以上に速くうごくなど構造が基地構造が歪む状況に陥ったといい、結果的に崩壊の危機もあったことで建設計画は事実上失敗となったとしています。