クイックシンク1

長距離を飛行し地上目標を主に攻撃する巡航ミサイル。アメリカ空軍は比較的安価巡航ミサイルに対艦ミサイルに変更可能なシーカーを組み合わせる運用方法を模索していると報じられています。

フロリダ州エグリン空軍基地に拠点を置く空軍ライフサイクル管理センター兵器局は射程延長攻撃兵器(ERAM)にクイックシンクというシーカーを取り付けることで安価な対艦兵器として運用を可能とする計画を発表しました。


Cheap Cruise Missile Paired With Affordable Seeker From Ship-Killing Smart Bomb Eyed By USAF
https://www.twz.com/air/cheap-cruise-missile-paired-with-affordable-seeker-from-ship-killing-smart-bomb-eyed-by-usaf

ERAMとは現在ウクライナ向けに輸出を考えている開発中の兵器ですが、予想では今後発生する可能性の高い台湾海峡での使用も考えられていると思われ、要するに高コストで輸出規制などもあり運用が難しい兵器ではなく、扱いやすい安価な兵器となっていると考えられます。

ミサイル本体、ERAMについては具体的なデザインや仕様もよく分かっていないのですが、マッハ 0.6以上の速度で飛行しながら最大250マイル(400km)の射程を持つ500ポンド(約226kg)級の精密兵器の要件としているといい、このミサイルにクイックシンクシーカーを搭載することで誘導はミサイル本体、索敵といった最終段階はシーカーが誘導を行うようなものになっていると考えられます。

▼3Dプリンターで作られたシーカー模型
クイックシンク

シーカーを変更することで対地、対艦といった様々な目標を攻撃できる兵器は専用に作られた兵器に比べて性能は劣る面はあると考えられます。一方で安価に生産できれば大量配備できるという利点もあります。ウクライナでも兵器不足が問題となており求められているのは輸出が難しい高価な兵器というよりも扱いやすくドローンでも運用できるレベルの安価な兵器です。

何れにしてもこのような兵器は特に台湾など極東アジアでは海から侵攻・上陸してくる対中国の数百から数千といった対象を次々と撃破しなければならない戦況では強く求められる兵器と考えられます。