C-17 偏向板

アメリカ空軍が運用する大型輸送機、C-17 グローバルマスターIII。最近3Dプリンターで作った薄い板のようなものを機体後部に付けたところ燃費が1%改善したと報じられています。

大量の燃料を消費するアメリカの空軍機。人や物資、場合によっては戦車やヘリコプターといったものも輸送するこの輸送機は必要不可欠ですが、最近約40cm×10センチサイズの12枚からなる偏向板を機体後部に付けた結果、機体に生じる抗力が低下し燃費を改善できたと発表しました。

C-17 Globemaster: Cutting-Edge, Drag-Reducing 'Microvane Tech' Set To Modernize USAF's Aircraft Fleet
https://www.eurasiantimes.com/usaf-enters-final-evaluation-phase-for-microvane/

記事によると全体的な燃費改善はわずか1%になるのですが、アメリカ空軍におけるこの輸送機の1%というのは年換算で1400万ドル、約21億円相当にもなるとしています。言い換えればあめりか空軍ではこの輸送機の運用だけで年2100億円の燃料代が掛かっている…?という驚きの数値になるのですがそれでもこの1%は大きな額となります。

C-17 偏向板_1

この偏向板は3Dプリンターで作り強力な接着剤でくっつけただけらしく材料費や設置費用は安価と考えられます。輸送機は後部が大きく開閉する構造で尾翼が高い位置に付いています。この機体構造が理由で乱気流が発生し燃費が下がる原因になっていると考えられています。

これからC-17 グローバルマスターIIIを見た時はこの最新の偏向板がついているかいないかでアップグレードがされている機首なのか見分けるポイントになりそうです。