牛乳で血液が白くなった男

世の中にはちょっと変わった人がいますが、今回は2日で牛乳を44リットルも飲んだという人物です。44リットル…なんと血液が白くなる、特定の数値が数値としては人類史最高レベルという『人外』レベルの体になってしまったという耳にしたことがない症状が報告されてます

 Scientific Research Publishingに提出された論文によると、この人物はオランダのロッテルダムに住む54歳の男性です。見出しでも紹介した用にこの男性は1日あたり5ガロン半、22リットルもの牛乳を2日間飲み続けたといいます。つまり合計で44リットルで、全脂肪乳だったといい牛乳の栄養価から2 日間で 1540gのタンパク質、1980gの糖、1496gの脂肪を摂取したことになるといいます。

Milk Intoxication—A Case Report
https://www.scirp.org/html/13-2100283_19410.htm#Table%203

なぜ男性が44リットル飲んだのかはよく分かっていません。論文では喉の乾きのためとしています。水の飲んだことがある人はわかると思うのですが基本的に一般人であれば1日3食の食事以外で意識的に水を飲もうとすると2リットルでもかなり辛い思いをします。

男性は過去に一度失神したことがあると報告されているのみで病歴などは特に報告されていません。患者は1日に約10本のタバコを吸い、時々アルコールを飲んでいるレベルでした。

一方でこの男性は過去8日間にわたる多尿、多飲、過度の発汗、進行性呼吸困難の病歴で救急室に入院したといい、この2日前に血糖値が異常に高かったといい薬が処方されたものの喉の乾きなどは変わらなかったらしく牛乳を飲み続けた…ということになりそうです。

血が白くなる

論文によると男性は緊急治療室に運ばれた時は意識がはっきりしていました。血圧は165/108 mmHg、脈拍数は138回/分の規則的な数値、呼吸数は40回/分、酸素飽和度は96%で毎分3リットルの酸素を投与、体温は37.5℃でした。

▼右のチューブは患者の血液から抽出された血漿、純粋なミルクだとしている
牛乳で血液が白くなった男_1

▼遠心分離された患者の血液
牛乳で血液が白くなった男_2

血液検査を行った結果、血糖値はやはり高かったのですがもう一つ血清トリグリセリドという値が驚愕するレベルで高かったとしています。正常値は0 - 2.0 mmol/lらしいのですが191 mmol/lもあったとのこと。

男性の血液は遠心分離した後は乳白色で血清トリグリセリドの値についてはこれまで地球上で報告された中で最高値だとしています。

その後、男性はどうなったのかは記載はないのですが6週間後のトリグリセリド値はほぼ正常値に戻ったとしており今も生きていると考えられます。今回の研究から重度の高トリグリセリド血症およびカイロミクロン血症症候群は、大量の全脂肪乳の摂取によって引き起こされる可能性があるというそれ以外考えられない結論が記載されています、またこのような重度の高脂質血症は急性膵炎発症の重大な危険因子であり血漿交換によりトリグリセリドを抽出し急性膵炎の予防に役立つとも記載されています。