この機体はF-35C BuNo 168842というものでアメリカ海軍が運用するF-35Cでも2機しか存在しない独特なミラーコーティングが施された特殊機になります。写真は2022年11月に撮影されたものになるのですが、現在はこの塗装は外され元のF-35Cに戻されているといいます。

Newly Emerged Photos Show F-35C’s Mirror-Like Coating with Damaged Tiles After Intensive Testing - The Aviationist

理由についてはよくわかっていません。そもそもこのミラーのように見えるコーティングはいったい何のためにされているのかも公式発表が一切されておらず憶測でしか語られていないためです。

記事では今回塗装が外された理由については何らかの劣化が発生していたと記載されており、塗装した状態で一連の試験が行われた後に外されたのではないかという内容になっています。

F-35Cに施された塗装は正しくはタイルです。元の塗装の上にミラーのような光沢感があるタイルを敷き詰めることで特殊なモザイクがかった見た目になります。そのため飛行中の気流、気圧の変化、温度、Cタイプであれば海上で運用されるため塩害によりタイルが剥がれる原因となります。

▼ミラーコーティングされたF-22の例


現時点でこのタイルがいったい何の目的で施されているのかは分かっていません。タイルはF-35以外にもF-22といったステルス機に搭載され試験されている様子が確認できています。最も有力視されている説はIRST（赤外線捜索追跡）対策技術や標的システム、レーダー吸収材（RAM）の代替品、または受動レーザー防御システムに関連するものだというものです。

いずれにしても何らかの戦闘機としての潜在能力を向上させるためのパネルと見られるのですが、耐久性については若干の懸念がある可能性もあります。現時点でこのミラー塗装が保有する機体に搭載されるという動きは見せていません。