DefenseNewsによるとこの発表はポルトガルのヌーノ・メロ国防相が公式に発表しているものでF-35の調達はありえないとしている一方で第5世代戦闘機の発注の可能性についても現在は否定しているとしています。

今回F-35調達計画を凍結した理由についてはトランプ政権を取り巻く不確実性が今回の決定の重要な要因であると公言しています。これはトランプ大統領がNATOには加盟国の拠出金に疑問をなげかけたこと、さらには米国が防衛上の義務を守れない可能性を示唆する発言、ゼレンスキー大統領を独裁者と呼びウクライナへの武器の引き渡しと情報共有を停止すると決定し実際に実行したことなどが理由です。

具体的にはアメリカの機体を導入するということはその機体を今後何十年もアメリカに依存する形にも繋がります。つまり確実に運用できるという保証はなくF-35を運用し続けるということ自体がアメリカの機嫌を損ねない形で行わなければならない警戒感が出てくるというものです。

Portugal Drops Plans for F-35 Citing U.S. Political Uncertainty - The Aviationist
https://theaviationist.com/2025/03/13/portugal-f-35-plans/

ポルトガルについてはすでにF-35に置き換える方針で去年の12月時点で移行計画が進められていました。それはF-35を運用するNATO加盟国と足並みを揃えるという点でも大きな目的があったとしています。

いずれにしてもトランプ政権誕生後、2025年前半の極めて短期間にF-35の導入計画が停止となったことは間違いはないのですが一方でどの機体を今後選定するのかについても具体的に何も述べられていません。

サーブ・グリペンやユーロファイター・タイフーンという機体が候補に上がってくることが予想されるものの今の時代に新たに4世代戦闘機の導入となるのかという抵抗もあると考えられ、結局F-35を導入が再検討されることになりそうです。