GBU-53-B

スエズ運河の出入り口となっているイエメン沖でテロを繰り返す反政府組織フーシ派。現在米海軍を中心に連日攻撃を行っているとされているのですが、先日、GBU-39/Bの後継となる新型ストームブレイカーGBU-53/Bを搭載している様子が確認されました。

米国軍が運用する精密誘導爆弾として小口径爆弾があります。これは1つハードポイント、パイロンに複数の爆弾を搭載できるもので威力は低いものの一度に複数のターゲットを攻撃することができます。

戦車は家屋程度であれば小口径爆弾1発で十分なのですが、これに関してアメリカ軍公式Xで公開された動画で、見出しで紹介したGBU-53/Bが初めて実戦投入されている様子が確認されています。

掲載された写真はUSSハリー・S・トルーマン（CVN 75）上でフーシ派に対して出撃する前の様子と考えられています。この内容はtwz.comが取り上げていますが、記事では製造元・米軍とも公式の発表はされていないとしています。

F/A-18 Super Hornets Now Carrying Stormbreaker Glide Bombs On Combat Missions
https://www.twz.com/air/super-hornets-are-now-carrying-stormbreaker-glide-bombs-on-combat-missions


従来のモデルとの違いは特にあらゆる気象条件で移動する標的を攻撃する能力などいくつか変更が加えられているとしています。

この兵器には3つの誘導システムが搭載され、赤外線またはミリ波レーダーを使用してターゲットを発見する方法、セミアクティブ レーザー ホーミングを使用して指定された目標点を攻撃する方法、そして搭載している航空機と通信できるためこの兵器を発射した後に必要に応じて飛行中に新しいターゲットに方向転換したり、定期的に中間更新情報を受け取ることができます。

▼GBU-53/B(F-15Eの搭載例)
GBU-53-B

投下した高度に応じてGPS補助慣性航法システムで大雑把な位置まで滑空。その後特定の座標に命中させるか、ターゲットの探索を開始することもできます。夜間や悪天候であっても静止したターゲットと移動中のターゲットの両方を攻撃できるという柔軟性が高い爆弾となっています。

この爆弾は重量は204ポンドと小型であるため従来機には多く搭載することができます。例としてF-15Eにフル搭載した場合は28発となっています。つまり一度の出撃で最大28の標的を一度に破壊できるという効率の良い兵器となっています。