NASAが打ち上げ2018年に着陸した火星探査機インサイト。この探査機は主に火星の地下構造を調査する専用の探査機となり地震計や地下に埋め込むペネトレーターという装置などを搭載しました。このペネトレーターは火星の何らかの岩盤にあたり埋め込みは失敗したのですが、他の計測器を用いて今まで誰もしれなかった火星の地下を科学的に見ることができました。

InSight не обнаружил воду под поверхностью Марса
https://kosmolenta.com/index.php/1939-2022-08-12-insight-water

さて、最もNASAが期待していたのは地下にどのくらい氷(もしくは水)が存在しているのかです。
インサイトは設定したエリシアン平野地域に着陸し計測器を用いて地下構造を調査しました。当初研究者は堆積岩と凍った溶岩流、そして氷や水の何らかの発見が予想していたものの結果は大きくハズレました。

▼インサイトの重要な調査機器の一つ、地震計


NASAが送り込んだ探査機、つまりそれは将来の火星有人探査の着陸地点ということにもなるのですが、この地域では調査可能な地下300mしたまで水らしい水、氷らしい氷は明確なシグナルはほぼ検出できませんでした。研究者は小さい氷の粒は存在する可能性はあるとしているもののあくまで推定であり、あったとしても相当微量です。

火星には大昔、地球と同じように大量の水が存在していたものの、現在は見る影もありません。惑星科学者ははその多くがたとえあ粘土という形で取り込まれた可能性があると指摘しているものの、よく分かっていないのが現状です。

そして火星の地下は暖かく、仮に地下に取り込まれたとして冷たい表面から数百メートル下には液体の水が存在できる層があると見ています。



一方、インサイトは火星地表の大量のチリでソーラーパネルを覆われ必要な電力を確保できず運用が既に終了しています。