image_126

西側、特にアメリカが持っているものは全部欲しいと言わんばかりの中国。これは軍事以外でも科学面でもその態度が見え隠れしているのですが、先日中国から打ち上げた長征2号Fロケットのペイロードとして中国が開発した小型スペースプレーンが搭載されていたことが明らかになったと報じられています。

NASASpaceFlight.comなど海外の複数メディアによると、中国の新華社通信は今月4日、ゴビ砂漠に位置する酒泉衛星発射センターから長征2号Fロケットを用いて再使用可能な実験宇宙船を打ち上げたと発表しました。

China launches experimental spaceplane - NASASpaceFlight.com

この再使用可能な実験宇宙船については一定期間軌道飛行をした後に帰還するスペースプレーンで今回の試験では今後の運用に向けた再使用技術の検証試験が実施されるとのこと。

海外メディアによると、今回打ち上げられた実験宇宙船(正式名不明)については国際宇宙ステーションより50kmほど低い高度350kmの低軌道に投入されたいい、これは中国の有人宇宙船である神舟とほぼ同じ高度だと説明しています。


中国では2017年に滑空・着陸が可能な再使用宇宙船を開発しており2020年までに発射すると発表していました。しかし宇宙船の詳細な仕様については言及はなく今回も中国政府は宇宙船打ち上げに関しても詳しく紹介していません。



ニューサイエンティストによると、この宇宙船はアメリカ軍が運用する無心スペースプレーンX-37Bと同様のものだと報道しています。新華社通信は同日、中国の新しい実験用宇宙船は『平和的利用のため』と報告しているものの「スペースプレーンに軍事的用途があることは否めない」と主張しています。その理由としては平和目的としていながら情報を隠しており、どのような機体なのかも発表していないことが主な理由と考えられます。

今回打ち上げられた再使用可能な実験宇宙船については2007年12月11日に中国メディアがH-6K爆撃機に搭載されたX-37Bとよく似た構造のスペースプレーンの開発を発表していました。これはプロジェクト863-706というコードネームだったといい、今回の打ち上げられたモデルの大気圏内における滑空技術などに用いられていた可能性があります。

▼2011年1月8日に報じられた中国の大気圏外往還機(技術検証機)『神竜』
神竜宇宙船_1

神竜宇宙船_2

神竜宇宙船_3