image_123

最近、NASAの火星探査ローバーが撮影した画像の中に真菌が映っていたなどと、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターとジョージ・メイソン大学の研究者を含むチームが発表しました。しかしこの研究、これまでも地球外の天体に生命がいるなどと根拠が無い論文を執筆してる人間により行われていたことが明らかになりました。

この研究はNASAの火星探査車パーサヴィアランスが撮影したもので、これ自体は乾燥した古代湖と考えられているジェゼロクレーターを調査することで古代の微生物の生命の兆候がないか、搭載された機器を用いて行っているものです。

そんな中、最近ジャーナルAdvances in Microbiologyに「火星で真菌のような生命体を発見した」という主張する内容が論文が掲載されました。これはパーサヴィアランスローバーを含め複数の火星探査車や軌道上を回る高解像度カメラによって撮影された画像を証拠として挙げていました。

image_124

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターとジョージ・メイソン大学の研究者を含むチームが発表したということでいくつかのメディアに取り上げられ、「ついに火星で生命を発見したのか!?」というネタになったのですが、実はこの論文の筆頭著者はローン・ガブリエル・ジョセフという、他の惑星での生命についての疑わしい非科学的な主張で知られるフリンジ研究者だったとのこと。

ローバーミッションチーム「それ嘘だから無視して」

ミネソタ大学モリス校の生物学者ポール・マイヤーズ氏によると、「私たちが地球上で知っているように、火星は生命にとって非常に住みにくいという証拠が山のようにあります。そして、写真による証拠だけでは単に十分ではない」と説明しています。

またこの論文に反論しているのはNASAのマーズ2020(パーサヴィアランス)ミッションサイエンスチームのメンバーであるクイーンズランド工科大学の講師であるDavidFlannery氏は、「ローバーは大量のデータを送り返しています」「私たちはメンバーはこの研究者よりもたくさんの情報を持っていますが、私たちが見ているデータから菌類とは解釈していません。その根拠はゼロです」
また、最後には「本当に信頼できないこの論文は、科学界からは無視されるでしょう」と付け加えています。

まとめ

論文と聞くと私達一般人はその内容が正しいと思ってしまいます。さらに有名な大学や機関が発表されたものではより強く感じてしまうのですが、実は今回のように胡散臭く、そもそも再現することが出来ないような論文も含まれているとも言われてます。

いずれにしてもこの手の「生命を発見した」という内容や、私達が興味を引きやす行く目がいきやすいテーマは胡散臭いものが多い傾向があります。このような大きな内容は大本であるNASAといった研究チームに所属しているチームによりは発表されたものだけを信じておけばよいと考えられます。

参考:Experts Shred Paper Claiming to Identify Mushrooms on Mars