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今後新型コロナウイルスから多くの人類を守るであろうワクチン。連日このネタは報じられているのですが、一方でアメリカ政府が1000億円近く援助し開発されたモデルナ製のワクチンについてファイザー製よりも1.5倍から2倍ほど高く価格を設定したことで不名誉な賞を受賞したと報じられています。

アメリカのバイオテクノロジー企業・Modernaが開発した新型コロナウイルスワクチンは臨床試験で94.1%の有効性を示し、アメリカだけでなくEUでも使用が承認されています。ところが、「他の新型コロナウイルスワクチンと比べて高すぎる価格を設定している」として、Modernaのワクチンはヘルスケア分野における不名誉な賞「Shkreli Award(シュクレリ・アワード)」を受賞してしまいました。

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現在世界で接種されているワクチンはいくらなのか。記事によると、モデルナ製のワクチンは生産しているアメリカでの費用は1回当たり32~37ドル(約3300~3800円)を設定しているそうです。日本では別途輸送料がかかるので多少割高になると考えられるのですが、一方でこちらもよく聞くファイザー製のワクチンはあくまでアメリカでの契約額として1回あたり19.5ドル(約2000円)を設定しているとのこと。ファイザーはドイツ政府や欧州投資銀行からの援助で開発を行いました。

つまりファイザー製のものは2倍ほど値段が高いということになるのですが、ワクチンは通常2回接種する必要があるためモデルナ製は約6600円~7600円、ファイザー製は約4000円となります。差は約2600円~3600円ということになります。

一方、モデルナは価格の設定に対して批判を受けたことで費用を1回あたり30ドル(約3100円)に値下げしたとのこと。
しかし今回審査を行った人物によると、受賞理由として「我々国民がこのワクチンを開発するための資金(つまり税金)を提供しているためワクチンは私たちのものです。全アメリカ人に無料で提供する必要があります」と主張しています。

確かに私達外国人がアメリカ国民の税金とモデルナの技術力で開発したワクチンを購入するという立場であれば納得がいく価格なのですが、なぜアメリカの税金が投入されたものがファイザーよりも高くなるのか。
少なくとも界隈に詳しいであろう審査員が「無料で提供するべきだ」と言っている以上は、モデルナ社の価格設定は明らかに不当なものだと捉えてよいと考えられます。