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太陽系の恒星である太陽は11年周期で極大・極小を繰り返していることがわかっています。同じように見えて太陽も周期的に調子のいい時と悪い時を繰り返していることが科学的に明らかになっているのですが、これに関して樹木に残された年輪と放射性炭素から過去1000年間の太陽活動に関する研究を発表したと報じられてます。

スイスのチューリッヒ工科大学(ETH)が中心となった国際共同研究チームは新しい方法で木の年輪を分析調査した太陽活動周期を発表しました。この研究は英国とスイスに保管されている年輪記録を調査したものになっています。

年輪とはご存知の方も多いように、木を輪切りにすると1年に1つ、バウムクーヘンのように縞状の模樣として残されるもののです。大気中の放射性炭素(炭素同位体14)がありその半減期は5730年であることがわかっています。

放射性炭素は二酸化炭素中に含まれたものが光合成により植物の中に取り込まれその植物を食べた動物にも取り込まれることになります。当然私達人間にも植物を食べることで体内に取り込まれていることになるのですが、もし死亡すると供給が停止することになります。つまり、この放射性炭素の存在比率は生きている以上ほぼ一定を維持するものの供給が停止すると下がり始めることになります。その比率を正確に測定することで供給が絶たれた年代(人であれば死亡した大まかな年代)を探り当てることができます。

これは植物も同様であり樹木の場合は内側の年輪が古く、外側の年輪が新しく測定されています。

前置きが長くなりましたが、実は放射性炭素が取り込まれる量は必ずしも一定ではなく特に太陽活動が高ければ高いほど光合成が活発になり樹木が吸収する放射性炭素も多くなります。そして太陽活動が低下すれば光合成も低下し吸収される量も減ります。つまり、木の年輪と年齢そして年輪に含まれた放射性炭素の量を調査すれば太陽活動を知ることができるというわけです。


私達人類が望遠鏡などを用いて太陽活動を調査することができるようになったのは17世紀にガリレオ・ガリレイが望遠鏡を発明し太陽活動を示す黒点の観測を直接観測できるようになった以降です。その後、ドイツの科学者が太陽活動を示す黒点の調査をはじめたことで初めて太陽に極大・極小の活動があることが分かりました。

▼調査された木の年輪と太陽活動のグラフ。青、白はエラー間隔。画像右側の赤線は望遠鏡による黒点の記録で400年ほどの記録しかない。背景の太陽は11年周期で極大・極小を迎える姿を示している。
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研究者によると今回用いた放射性炭素測定により17世紀を大幅に越えた西暦969年から1933年までの太陽活動を知ることが出来たとしています。研究者によると実は今回の調査方法では今生きている木を使う必要はまったくないといい、今回も過去に切り出され木造建築物で使用されていた古い木を分析したものだと話しています。

研究者によると現在確保することができる木の年輪は14000年前のものまで可能だとしており、このような木であったとしても測定可能な放射性炭素は十分に含まれており、研究が実現できれば最後の氷河期末頃の太陽活動を知ることができるだろうと説明しています。

研究
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